大・南大萱展終了

 4/19から瀬田キャンパスREC1Fで開かれていた大・南大萱展は無事終了しました。合計で1,030人もの方が来場してくださいました。来場者の人数からもわかるように大盛況でした。南大萱に古くから住んでいる方・外部から移入された方・龍谷大の学生が主な来場者でした。

 南大萱の古くからの住民の方々は、ご高齢の方が多く、中には車いすでいらした方もあり、会場で昔を懐かしみ、中には南大萱の昔に関する知識を教えてくださった方もいらっしゃいました。新住人の方の多くは、回覧板や掲示板に貼られたチラシをみて来てくださった方が多かったようで、自分の住んでいる場所の歴史を知って地域に対する愛着が増した、というような感想を寄せてくださった方もありました。

 特に、住民だけでなく、南大萱地域に工場を構えたり、大萱の土地開発をされている企業の方が来場してくれたことは、都市に近く国道1号が真ん中を貫く南大萱の将来像を考える上で重要な事だと思います。南大萱は、古代の遺跡があり、古くからの田畑や溜池があり、前に琵琶湖背に里山を構えるユニークな場所ではあるけれども、将来のさらなる開発から逃れ得る場所ではないことは明白だからです。大萱地域の侵入的開発と、伝統的な景観の保全の調和を測る上でも、侵入者である龍谷大学と地元に根ざす南大萱資料室が共同して開いた展覧会に、侵入者である龍谷大の学生・新規住民・その他の企業の方と、地元の住民が集い、大萱地域の固有性を学んだことは大萱の前向きな将来の為にきっとなる、と、受付をしながら確信しました。

 最後に、龍谷大の学生さんは、国際文化学部の学生が主でした。ほとんどが、授業・ゼミの一環として半ば強制的につれてこられたようでしたが、強制的にしろ大萱に学ぶ若い学生が地元の方の集めた資料に学び、直接会話したということは、彼らが作り出す将来の社会像を彼ら自身が考える上で必ず役に立つでしょう。展覧会を見た学生さんのレポートの中には、展示を見て、小さな大萱地域が世界につながっていたことを実感した、という意見がいくつか見られました。彼らがあと何年瀬田キャンパスに通うかはわかりませんが、小さな大萱地域の出来事は現在も世界情勢とも多分つながっていて、小さな地域と世界の関係の将来を決めるのは彼ら自身である事を、大萱にあるキャンパスで学んでほしいと感じました。